2018.07.12
保護者の皆様へ
この度の大雨災害により、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
ご自身が被災をされていなくても、テレビで被災地の映像を繰り返し見たり、
新聞、ラジオから、あるいは人づてにお話しを聞いたりすることで、
大人も子どもも、心は影響を受けます。
災害の際のストレスで、反応が出ることは自然なことです。
直後には元気そうに見えていても、時間が経ってから反応が出てくる場合もあります。
反応の出かたには個人差がありますが、子どもの場合、
心や身体、行動に次のように現れることがあります。
◎子どもが示すさまざまな反応の例
☆脅えたり、怖がったり、不安がったりする。
☆頭痛、腹痛、吐き気などの体調不良を訴える。
☆寝つきが悪くなる、夜中に目を覚ます、怖い夢を見る。
☆やたら甘える、親の側を離れようとしない。
☆話をしなくなる、ぼーっとしている、引っ込み思案になる。
☆外出を嫌がる、登校をしぶる、1人で外に出られない
☆ちょっとしたことでも怒りっぽくなる、イライラする。
☆そわそわして落ち着かない、はしゃぎすぎる。
☆涙ぐんだり、泣き出したりして、情緒が不安定になる。
☆今までやってきたことへの意欲がなくなる。
☆いい子になり過ぎる。
☆勉強しなくなる、過剰に勉強をする。
◎回復のためのポイント
時間はかかりますが、子どもが出した反応を大人がしっかり受け止めると、
子どもは徐々に落ち着いていきます。次のようなことに気を付けてください。
☆何よりもまず、「安心」できる雰囲気をつくりましょう。
☆生活のリズムをできる限り整えましょう。
☆災害関係の映像や写真などを繰り返し見せないようにしましょう。
☆身体の不調を訴えた時には、無理強いをせず、ゆっくり休ませましょう。
☆不安を訴えた時にはしっかりと聞き、安心させてあげましょう。
☆災害の時に感じた気持ちを無理に聞き出さないようにしましょう。
☆甘えがひどくなっても十分に甘えさせてあげましょう。
☆夜、一緒に寝たがったり、少し不安そうなら一緒に寝ましょう。
☆今までできていたことができなくなっても、怒らない、あわてないようにしましょう。
☆「早く忘れよう」「しっかりしよう」「強くなろう」など、あまり言わないようにしましょう。
子どもは、出来事の体験の仕方やそれによって受けた影響の度合いによって、
表現方法は異なります。表面上は元気にしていても心の中は違うことがあります。
話さない子どもも感じていないのではなく、話すことが難しいのです。
「この子は大丈夫」と簡単に安心してしまわず、子どもの様子を見守ってください。
ご心配がある場合は、ささいなことでも構いませんので学級担任、養護教諭、
カウンセラーにご連絡ください。
広島女学院中学高等学校 校長 渡辺 信一
カウンセラー 塚本 有香