2018.01.20
広島女学院中学校受験者の皆さんへ
受験生の皆さん、広島女学院中学校受験、本当にご苦労様でした。皆さんがこの日に備えて準備してこられたものを、しっかり発揮することができるように願いながら、生徒・教職員で試験会場の準備をし、当日のお世話をしましたが、落ち着いて試験を受けることは出来たでしょうか。
受験することを決めてから長い準備期間だったと思いますが、皆さんは最後までよく頑張ってこられたと思います。その陰には家族の方々、学校や塾の先生方の熱心な支えがあったことと思います。しかし、どんなに周りが助けようと思っても、皆さんの歩みを手助け出来ないところ、その本人が自分一人で歩まなければならないところがあります。皆さんもそのことを今回の受験を通して体験されたのではないでしょうか。自分自身でしか乗り越えることの出来ないところを、覚悟して自分で引き受けようとすること、それが自立をすることだと思います。
受験は全員が合格することはできない、そしてどちらの結果になるか保証されていないものに向かうチャレンジです。チャレンジする人間は、結果がどちらであったとしても、また不十分なところがあったとしても、自分なりに誠実に努力をしてくることができたと振り返ることが出来るように歩まなければなりません。
望むような結果を手にしたいのは誰も同じで、喜んだり悲しんだりしますが、皆さんの手にした結果がこれからの人生の中で、本当のところどのような意味をもつかは、実は誰にも分りません。その意味は、これからの皆さんの生き方・取り組み方によって変わってきます。その中で、皆さんには今回の結果を自分のものとして受け取る勇気を持って頂きたいと思います。特に思うような結果を得られなかった方は、チャレンジをしなければ痛い思いもしなかったかもしれませんが、チャレンジをしないよりも、たとえ傷つくことがあっても、チャレンジをし続ける方がはるかに豊かな生き方ができることを知って頂きたいと思います。
小学生の皆さんには少し難しいかもしれませんが、イギリスの神学者でJ.H.ニューマンと言う人の次の言葉を贈りたいと思います。
「あなたの人生がいずれ終わることではなく、いまだに始まっていないことを恐れよ。」
生きている者は死ぬことを恐れるものだけれど、もっと恐れなければならないものがある。失敗を避けてチャレンジすることもしない生き方をしている人は、あなたの本当の人生がまだ始まってすらいないことに恐れを感じなさい。与えられた人生を無駄に生きることがないように。と言うような意味でしょうか。
見えない結果に向かってチャレンジの一歩を頑張った皆さんは、どのような結果であれ、自分の人生を自分の足で歩もうとしはじめた勇気ある一人です。どうかそんな自分を大切に思ってこれからの歩みを続けてください。
広島女学院を目指して受験してくださった皆さんに心から感謝しています。皆さんのこれからの歩みが豊かなものであるよう、心からお祈りしています。
2018年1月19日
広島女学院中学校 校長 星野晴夫