2020.10.30
「バーチャル修学旅行で歴史を学ぼう 広島・長崎・沖縄」
先週の土曜日、テレビ朝日主催の「バーチャル修学旅行で歴史を学ぼう 広島・長崎・沖縄」に高校2年生5名がZoomで参加しました。
本校卒業生で長年核廃絶のための運動をされ、ノーベル平和賞受賞式でスピーチされたサーロー節子さんや、サッカー日本代表監督の森保一監督、タレントのりゅうちぇるさんが講師として、平和・戦争について学ぶ機会となりました。
番組中、本校生徒がサーローさんに直接質問する機会を与えていただきました。サーローさんと直接お話しでき、また女学院生の平和学習の取り組みを褒めていただき、生徒たちはとても喜んでいました。
現在、番組HP上でアーカイブ配信中です。ぜひご覧ください。(本校生徒は1:08:00頃から出演しています)
https://www.tv-asahi.co.jp/live-symposium/archive/0001/
また、番組に参加した他県の高校生の皆さんとも交流を持つことができ、早くも昨日の昼休みに他校の生徒さんとZoomを使った事後勉強会を行いました。
番組翌日、核兵器禁止条約げの批准国が50か国に到達するというニュースが飛び込んできました。奇しくもそのようなタイミングでこのような学び機会をいただいたことに感謝します。ありがとうございました。
以下、参加した高校生たちの感想を掲載しています。少し長いですが、ぜひお読みください。
今回、バーチャル修学旅行に参加できて本当に良かったです。過去のつらい事実とこれからの世界のあるべき姿について、近視眼的に教えられるのではなく、サーロー節子さん、森保監督、りゅうちぇるさん、他の学校の生徒さんと共に、同じ視点・立場から問いと考えのキャッチボールができてとても濃い時間でした。りゅうちぇるさんを通して、沖縄戦を体験されたりゅうちぇるさんのおばあさんの、つらい過去を語り継ぎたいけど思い出したくないという葛藤、リアルな声を知れてとても深い学びになりました。広島女学院では、ヒロシマの過去のみを学び語り継いでいっているだけでなく、被害者でもあり加害者でもあった日本の歴史、世界から見たヒロシマへの思い、世界で起きている戦争・戦争により引き起こされる差別など、グローバルな視点を持って平和学習をしています。今回の学びを通して、私たちが進めてきた平和学習は間違っていない、たくさんの意見を取り入れもっと深く沈潜しなければならないと強く感じました。自分たちが平和な世界の作り手になるために、これからも多角的に学んでいこうと思います。(高2 N)
学校行事が次々と中止になるなかで、登壇いただいたお三方、そして全国の同世代の方々と75年前のことに考える機会を設けていただいたことに感謝します。りゅちぇるさんがおっしゃっていましたが、私も国内での平和教育の差をとても感じたことがあります。夏に短期留学をした際、他県の高校生と行ったのですが、8月6日日本時間の8時15分に私は、あの日あったことを想い目を閉じ祈りました。周りの子たちにも、「8時15分だよ!」と言いましたが、何のこと?とそこにいた全員が答え、とても驚きました。ヒロシマで育った私は、幼稚園の頃からヒロシマで起きたことを考えいたので当たり前だと思っていました。逆に当たり前でないという意識を持っている同世代の多さに不安と焦りが募りました。国外へ、ヒロシマ・ナガサキ・オキナワを伝える前にまずは国内での平和学習を充実させなければならないと思いました。そして、森保監督がおっしゃっていましたが、「今好きなことを出来るのは、平和だから」と認識を全ての人が持たなくてはならないと改めて感じました。サーローさんのご活動もあり、世界が少しずつ「平和」へと近づいています。でも、「核」を保持・使用し人や国を脅かし自国を守ることだけにとらわれている国が存在するのも事実です。被爆者の平均年齢が84歳を越え戦争体験者の数が急速に減る中、今を生きる私たちに何ができ何をしなくてはならないのか。保阪さんがおっしゃっていたように、戦争体験のない私たちにはあの日のことを「想像」するしかありません。より、その「想像」をリアルにし、戦争体験者の方々が一生抱えておられる「責任」を私たちが受け継がなくてはいけないと強く感じました。りゅうちぇるさんがおっしゃっていたように、体験した方々が振り返りたくない過去を一生懸命お話してくださったことに感謝すると共に、75年前のことを考え日本にそして世界に伝えていく、平和の尊さを伝えていく架け橋にならなくてはいけないと責任を感じました。サーローさんからのメッセージにあったように、日本は被害者であるとともに加害者であります。このことを認め、加害者である立場からも考えなくてはいけないことが多くあると思います。これからは、様々なバックグラウンドを持つ人と共生が必要とされる社会です。この中で、75年前のことをどう伝えどう自分たちが学んでいくのか、Critical Thinkingを続けていこうと思います。貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。(高2 K)
今日はサーロー節子さんと森保さんとりゅうちぇるさんから普段聞けないような貴重なお話を聞くことができました。平和を実現するためには、まずは「歴史を知る」ということが大切だと思いました。サーロー節子さんのお話の中であったように、私たち学生はたくさん学んで、考えていこうとおもいます。戦争体験者が減って、戦争を体験していない人が増えていく中、私たちの世代がどう継承していくか、それがこれからの課題であり、使命だと思います。実際の体験談を聞くことの重要性を改めて実感しました。私たちの先輩であるサーロー節子さんにも、女学院の平和活動は熱心だ、これからも続けてください、というお言葉をいただき、より一層平和活動に取り組みたいと思いました。平和について改めて考えるとても良い機会になりました。(高2 Y)
今回のバーチャル修学旅行を通して、普段お話を伺うことのできない方々のお話を聞くことができてとても貴重な経験になりました。私は広島で生まれ育ち、当たり前のように幼いころから平和学習の機会を与えてもらっていましたが、それは決して当たり前のことではなく、被爆者の方々が思い出したくない記憶を掘り起こして勇気を振り絞ってくださっているとても貴重なことなのだと改めて感じまいした。被爆者の方々のお話を直接聞くことのできる最後の世代として、昔の出来事、他人ごとに考えるのではなく、戦争を自分の問題として考えなければいけないと思いました。また、りゅうちぇるさんがおっしゃっていたように、コミュニケーションという当たり前に見えるようでなかなか実践できていない基礎的な部分が友人間においても国家間においても欠けてしまっていると思いました。そして、それこそが互いに認め合い、尊重しあうことのできる平和な世界のために最も重要なことだと分かりました。今後平和学習をするうえで、相手の立場に立ってコミュニケーションをとるという、当たり前のことに見えるようで実践していかなければならない姿勢を大事にしていこうと思いました。(高2 A)
まず、参加校の中でバーチャル修学旅行先の県の学校は広島女学院だけだったことから、番組が始まる前に他校の参加者さん達が様々な質問をしてくださったことに驚きました。それと同時に、他校の参加者さんたちの広島のことについて知りたい、戦争についての知識をさらに深めたいという意思を感じることができとてもうれしかったです。サーロー節子さんからは、これから私たち若い世代が平和を発信していくには被害面だけではなく加害面の両方の視点を持たなければならないこと。森保監督からは、平和を発信していく方法は人によってさまざまであり、自分の長所を生かしたものでも発信できること。りゅうちぇるさんからは、相手とコミュニケーションをとることが平和実現への第一歩、無知は誤解を生むということ、を学びました。このように、サーロー節子さん、森保監督、りゅうちぇるさん、みなさんそれぞれが私たちのために戦争の体験談、受け継いだ話、平和への取り組みや価値観などを懸命に伝えようとしてくださいました。講師のみなさん、保阪さん、大下アナウンサー、そしてこの企画を開催してくださったテレビ朝日の皆さまには本当に感謝しています。私にとってこの経験は一生忘れないものになったと思いますし、この企画に参加して本当に良かったです。(高2 Y)