2024.08.06
8月3日(土)~4日(日)、中学YWCA部は岡山県にある長島愛生園・曙教会での校外学習を行いました。
長島愛生園は、1930年に日本初の国立療養所として誕生し、国の政策としてハンセン病患者の隔離が行われたところです。1945年に病気が治癒できるようになってからも国の誤った政策により隔離が続いたり日本社会での差別が残り、いまもなお入所されている元患者の方々がいらっしゃいます。広島女学院では長年、キリスト教強調週間でハンセン病や元ハンセン病患者の方の状況について学び、中1が手作りのクリスマスカードを入所者の方に送るなどの活動を行ってきました。今回は、中学YWCA部の23名の部員が、国立療養所長島愛生園宿泊研修施設むつみ交流館にて1泊2日の研修合宿をさせていただきました。
一日目の午後に、開会礼拝を行い、顧問で聖書科の金先生による礼拝を持ちました。広島女学院が大切にしてきた隣人愛がどのようなものか、学院聖句である「我らは神と共に働く者である」という言葉が私たちにとってどのような意味があるのか、そしてこの研修はどういう意味を持つのか、を生徒一人一人が考える機会となりました。
夕方、少し気温が下がってから、愛生園歴史館の学芸員の方による説明を受けながら、歴史館や島内に残る施設を巡りました。当日の隔離政策のようすが生々しく残り、故郷を離れ、家族と離ればなれになってここに来た方々の当時の気持ちや苦しみが伝わってくるようでした。
二日目は、まず曙教会で主日礼拝に参加させていただきました。教会の大嶋牧師先生に暖かく迎えていただき、ともに祈りの場をもたせていただきました。おみやげにボールペンもいただきました。ありがとうございました。
そのあとはまた研修施設に戻り研修です。午前中の研修では、グループに分かれ、ワークショップをしました。自分が欲しいもの、必要としているもの、自分は必要ではないけれどもほかに人には必要なもの、という点から人権について、そしてハンセン病の元患者の方が受けてきた人権侵害やその中で大切にされてきたことを振り返り、考えました。
午後の最後の研修では、入所者である中尾伸治さんのお話をお聞きしました。昭和23年に入所されて以降ずっと愛生園におられる中尾さんのつらいご経験や、愛生園の過去の様子、現在お二人しかお話ができる方が残っていない現在の状況などをお聞きし、生のお話を聞けた私たちがこれからもハンセン病や人権について考え、伝えていかなければならないと思わされました。
暑い中、そして土日にも関わらず私たちを暖かく迎えてくださった長島愛生園の方々、本当にありがとうございました。今回の学びを、これからの私たちの生き方や考え方に活かしていきたいと思います。