2016.11.12
10月26日、倉永様をお招きし、イギリスから返還された絵を作者ご本人にお返しするというセレモニーを行いました。(その時の記事はこちら)
その際、倉永様が20点ほどある絵の中から、他の作者である方を見つけてくださいました。
11月9日、倉永様から教えていただいたもう一人の絵の作者である嘉屋重(カヤシゲ)順子様をお招きし、絵を返却いたしました。
今回は、湊晶子院長も同席されました。嘉屋重様、倉永様、そして湊院長はともに戦争を体験した世代ということで、共感する部分も多く、話が弾みました。
湊院長は、「この絵が大切に保管され、月日を経て持ち主に返還されたことに感銘をうけました。戦時中、敵と味方に分かれた者も、こうして文化や芸術を通じ、また再びお互い心を通わせることができる、『人は愛によって生かされる』という聖書の言葉を強く感じました。この度、嘉屋重様の絵をお返しするにあたり、この場に同席できたことがとてもうれしく、また、終戦間近に激しい空襲の中でたくさんの人が亡くなっていく中、自分が生き残り、こういった場面に同席することができ、自分が生かされている責任を強く感じました」と述べられました。
また嘉屋重様は「自分の描いた絵に再会し、当時のことが思い浮かぶ。」と同級生の嘉屋重様との学生時代の話に花が咲きました。
そして、今度は嘉屋重様よりもう一人絵の作者の方のご家族を見つけてくださいました。その方には、これから連絡を取り、また絵の返還をする予定です。こうして、イギリスから日本に60余年を経て戻ってきた絵が、一人、また一人と縁を繋いで、再会を果たしています。